Sep. 21, 1 day before premier
*** yet to be translated ***
午前中は買い出し。
ゲントへは何度も来ているのに、その都度パフォーマンスを観るなどの目的を果たすだけだったので、街を
歩くのは初めてでした。
景観が乱れているところも若干ありますが、散歩が楽しい中世の素敵な街です。
昼食後、パフォーマンス・スペースに行くと、前日のガムテープの匂いが消えてはいるものの、
苔が微かにカビ臭い匂いを発し始めているのに気づきました。
喉を刺すようなこの匂いこそが、わたしの悩みの種である山苔エキストラクトのトップ・ノート。
なのですぐ気づいたのかもしれません。
この匂いがしている限り、お客さんはこの空間を「気持ちいい」とは思えないかもしれない。
そう考え、とりあえずしばらくは水撒きを控えめにしてもらうようにお願いしました。
Soxhlet 蒸留器を設置しました。
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昨日の試作で、匂いつきの蒸留水を使うとそれだけで乳液がけっこう匂うことがわかったので、Iceland Moss を水でSoxhlet抽出しようと試みます。
(この濃い抽出液を乳液に使えれば、香料を入れずに済むかもしれない。
香料を入れると、微量ではあるけど必然的にアルコールが乳液に混ざることになるので、
4時間これを使い続けるパフォーマーの手がガサガサになる心配もあるため。)
ところが、火力が弱くうまくいきません。
かといってこれ以上火力を強めるとすると、油を使わざるを得ず、フライドポテト屋さんのような匂いが空間に充満してしまう・・・。
やはり普通に煮出し液を使うことにします。
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煮出し液:
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(苔の中に小さなストーリーを散りばめている最中。パフォーマーのユキコさん)
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(舞台設計を担当しているさおりちゃん達は、紙吹雪のようなコンフェティで床を埋め始めた。)
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(苔の合間から顔を出しているのはハイネ。体をかがめないとこのボックスに入れないところは、お茶室の入口を想起させる。)
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(ノルウェーから船に乗ってやってきた音楽家のふたり。私生活をそのまま表すように、息がピッタリ合っている・・・。彼らの音を聞きながら作業するのは至福のひとときだった。)
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夜はパフォーマンスのリハーサルが予定されていたので、そのための乳液を作りました。
実際に乳液を使用するパフォーマーとテキスチャーについて相談し、乳液2 のレシピをベースにすることにしました。
(乳液を使った後にいつまでも手にネトネト残るようだと気持ち悪いだろうし、かといって滑らかなハンド・インタラクションを可能にするためには油分が必要だし。
ちょうどいいバランスだったのが、 2 のレシピだったわけです。)
乳液 3 (リハーサル用)
香料
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(リハーサル中)
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結果
「塗ってるときにさえモスの匂いがしてきたよ!」という人と
「まったく匂いに気づかなかった」という人に二分され、個人差があります。
個人差があるのは考えてみれば当たり前ではあり、
鼻の経験や閾値などと関わっている深い問題でもあります。
けれども、いろんな種類のモスの匂いをカクテルすれば、
それだけ多くの人に気づかせるチャンスは多くなるはずです。
今日は Iceland Moss のみ1種類を香料として使いましたが、
本番用にはいろいろなものを混ぜて調香ことにしました。
すなわち、調香師の学校で学んだ「アコード作り」です。
リハーサルの直前、劇場側から火災防止のためのチェックが入りました。
私たちが作った空間には紙が大量に使われていて、
それが大問題であることが判明。
今日のリハーサル開始の1時間前にはモスを薫香しようと思っていたのですが、
火を使うなんてとんでもない状況でした。(^^;)
お客さんが空間に入る瞬間に、何かしらモスの匂いに気づいてもらう、
というのが私の意図のひとつではあったのですが、この日は断念。
リハーサルの後、みんなで話し合い、
翌日にみんなでコンフェティを片付けることにしました。
残念ですが、大量の人が同時に訪れる劇場ならではの危機意識も理解できます。
この作品ではより触覚的な体験を意図して、
空間に入るときはお客さんに靴を脱いでもらう予定だったのですが、
それも劇場のマネージャーからは許可をもらえません。
そこには納得できるような理由はなにもなく、
問題を避けるため最終的にはハイネもこれに応じましたが、
人前で靴を脱ぐことを屈辱的とさえ感じるこの文化圏ならではかもしれません。
午前中は買い出し。
ゲントへは何度も来ているのに、その都度パフォーマンスを観るなどの目的を果たすだけだったので、街を
歩くのは初めてでした。
景観が乱れているところも若干ありますが、散歩が楽しい中世の素敵な街です。
昼食後、パフォーマンス・スペースに行くと、前日のガムテープの匂いが消えてはいるものの、
苔が微かにカビ臭い匂いを発し始めているのに気づきました。
喉を刺すようなこの匂いこそが、わたしの悩みの種である山苔エキストラクトのトップ・ノート。
なのですぐ気づいたのかもしれません。
この匂いがしている限り、お客さんはこの空間を「気持ちいい」とは思えないかもしれない。
そう考え、とりあえずしばらくは水撒きを控えめにしてもらうようにお願いしました。
Soxhlet 蒸留器を設置しました。
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昨日の試作で、匂いつきの蒸留水を使うとそれだけで乳液がけっこう匂うことがわかったので、Iceland Moss を水でSoxhlet抽出しようと試みます。
(この濃い抽出液を乳液に使えれば、香料を入れずに済むかもしれない。
香料を入れると、微量ではあるけど必然的にアルコールが乳液に混ざることになるので、
4時間これを使い続けるパフォーマーの手がガサガサになる心配もあるため。)
ところが、火力が弱くうまくいきません。
かといってこれ以上火力を強めるとすると、油を使わざるを得ず、フライドポテト屋さんのような匂いが空間に充満してしまう・・・。
やはり普通に煮出し液を使うことにします。
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煮出し液:
- 蒸留水 1000ml
- Iceland Moss 25g
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(苔の中に小さなストーリーを散りばめている最中。パフォーマーのユキコさん)
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(舞台設計を担当しているさおりちゃん達は、紙吹雪のようなコンフェティで床を埋め始めた。)
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(苔の合間から顔を出しているのはハイネ。体をかがめないとこのボックスに入れないところは、お茶室の入口を想起させる。)
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(ノルウェーから船に乗ってやってきた音楽家のふたり。私生活をそのまま表すように、息がピッタリ合っている・・・。彼らの音を聞きながら作業するのは至福のひとときだった。)
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夜はパフォーマンスのリハーサルが予定されていたので、そのための乳液を作りました。
実際に乳液を使用するパフォーマーとテキスチャーについて相談し、乳液2 のレシピをベースにすることにしました。
(乳液を使った後にいつまでも手にネトネト残るようだと気持ち悪いだろうし、かといって滑らかなハンド・インタラクションを可能にするためには油分が必要だし。
ちょうどいいバランスだったのが、 2 のレシピだったわけです。)
乳液 3 (リハーサル用)
- Iceland Moss煮出し汁 300ml
- アーモンド油(精製) 45ml
- 乳化剤Tegomuls 小さじ3
- ジェル化剤(キサンタンガム)1.5包
香料
- Iceland Moss extract (自作)7ml
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(リハーサル中)
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結果
「塗ってるときにさえモスの匂いがしてきたよ!」という人と
「まったく匂いに気づかなかった」という人に二分され、個人差があります。
個人差があるのは考えてみれば当たり前ではあり、
鼻の経験や閾値などと関わっている深い問題でもあります。
けれども、いろんな種類のモスの匂いをカクテルすれば、
それだけ多くの人に気づかせるチャンスは多くなるはずです。
今日は Iceland Moss のみ1種類を香料として使いましたが、
本番用にはいろいろなものを混ぜて調香ことにしました。
すなわち、調香師の学校で学んだ「アコード作り」です。
リハーサルの直前、劇場側から火災防止のためのチェックが入りました。
私たちが作った空間には紙が大量に使われていて、
それが大問題であることが判明。
今日のリハーサル開始の1時間前にはモスを薫香しようと思っていたのですが、
火を使うなんてとんでもない状況でした。(^^;)
お客さんが空間に入る瞬間に、何かしらモスの匂いに気づいてもらう、
というのが私の意図のひとつではあったのですが、この日は断念。
リハーサルの後、みんなで話し合い、
翌日にみんなでコンフェティを片付けることにしました。
残念ですが、大量の人が同時に訪れる劇場ならではの危機意識も理解できます。
この作品ではより触覚的な体験を意図して、
空間に入るときはお客さんに靴を脱いでもらう予定だったのですが、
それも劇場のマネージャーからは許可をもらえません。
そこには納得できるような理由はなにもなく、
問題を避けるため最終的にはハイネもこれに応じましたが、
人前で靴を脱ぐことを屈辱的とさえ感じるこの文化圏ならではかもしれません。
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